A CASE OF HYPERSENSITIVITY PNEUMONITIS SUSPECTED FROM HUMIDIFIER USE

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  • 空気清浄機・加湿器が原因として疑われた過敏性肺炎の10歳女児例

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症例は生来健康な10歳女児.新型コロナウイルスの感染予防として自室で加湿器を継続稼働させていた.羽毛布団を新調した12月下旬頃より咳嗽が出現した.喘息として治療されたが改善乏しく,呼吸困難のため日常生活に支障を来すようになり, 2 月中旬に当科を紹介受診した.聴診で両側下背部にfine cracklesを聴取し,胸部CTで両肺の広範囲に小葉中心性のすりガラス陰影を認め,過敏性肺炎を疑い入院とした.入院による抗原回避と酸素投与で症状は著明に改善した.鳥関連過敏性肺炎を疑い,鳥関連製品の撤去を行い自宅退院としたが,翌日症状が再燃し,退院3 日目に増悪したため再入院した.加湿器・空気清浄機の撤去後の自宅への試験外出,試験外泊では症状の再燃なく,臨床的に加湿器肺と診断した.沈降抗体反応検査ではインコの糞のみ陽性,貯留水の抗原検索は機器が処分されており行えなかった.発症1 年6 ヶ月時点まで再発なく経過しているが,呼吸機能検査では軽微な拘束性換気障害が残存しており,呼吸機能正常化まで長期的なフォローアップが必要と考える.新型コロナウイルス感染症の流行によって利用者が急増した加湿器は,不適切な使用により貯留水中に細菌,真菌等が増殖し,それらを原因抗原とした過敏性肺炎を引き起こし得るため注意が必要である.また,治療介入への反応の乏しい呼吸器症状を呈する症例では,本疾患の可能性も念頭に置き,丁寧な問診の上,適切な鑑別を行う必要がある.

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