Hinman 症候群が疑われた7歳男児例

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抄録

症例は 7 歳 7 か月の男児.主訴は排尿障害.当院受診前日にボディソープの原液を亀頭につけて洗った後から,陰茎痛が出現し排尿できなくなった.翌日近医を受診し,亀頭包皮炎に伴う尿閉が疑われ,導尿後に抗菌薬を処方され帰宅した.その後も排尿困難が持続し,同日夜間に当院を受診した.導尿を施行し帰宅としたが自排尿は得られず,翌日から入院による精査を行った.腹部超音波検査や腹部 CT 検査・頭部腰椎 MRI 検査を施行したが,尿閉の原因となりうる器質的疾患は認めなかった.退院に向け母親に対して導尿手技の指導を行ったが,入院4日目に自排尿を認め自宅退院となった.入院後の問診により,祖母から辛い言葉を受けた経緯が判明し,心因性の尿閉として知られる Hinman 症候群が疑われた.健常小児において尿閉は比較的まれな病態であり,器質的疾患の検索は重要であるが,併せて心因性によるものも考慮し,詳細な問診をとることが必要である.

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