ナイチンゲール教育思想の源流 日常生活は心に問いを抱かせ、知性はその問いに答えを要求する : フロレンス・ナイチンゲール

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  • ナイチンゲール キョウイク シソウ ノ ゲンリュウ ニチジョウ セイカツ ワ ココロ ニ トイ オ イダカセ チセイ ワ ソノ トイ ニ コタエ オ ヨウキュウ スル フロレンス ナイチンゲール

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抄録

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ナイチンゲールの教育思想の源流を探究するために,本論ではナイチンゲール家とイギリス社会を概観した。女性の幸福と利益は男性のそれと同等であるとの考えを有した父親の政治的・学究的な態度,その父親からの高い教育は,ナイチンゲールの知性を高め,批判的精神を旺盛にさせた。ナイチンゲールは,自身の周辺で日常的に引き起こされている現象とその分析,そして分析から得られた社会的問題を現実的対応に転換可能にさせるほどに卓越した知性を有していた。さらに,両親の有した高い社会的地位と交友関係による幅広い宗教的・政治的・経済的思想及び活動による影響を強く受けたナイチンゲールの高い倫理観と相俟って,当時のイギリス社会における労働者階級の無知と貧困と病気との関係を見出した。さらに,家庭内における女性の位置づけと伝統的な女性達の生き方を非難し,家庭生活の無為さを非難し,それを受けいれている女性たちを非難し,女性であっても高い理想を持って生きるべきであると主張したものである。これらから,ナイチンゲール教育思想の源流は,日常生活における現象を原因と結果の関係において解釈しようとするイギリス経験認識論にあると考えられた。

収録刊行物

  • 看護学統合研究

    看護学統合研究 12 (1), 42-68, 2010-10-20

    広島文化学園大学看護学部

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