『安達原秋二色樹』翻刻(上)

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タイトル別名
  • 『 アダチ ゲン シュウ ニショクジュ 』 ホンコク(ウエ)
  • Adachigahara-Akino-Nishikigi : Transliteration (PartⅠ)

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抄録

Departmental Bulletin Paper

本稿は、文政三年(一八二〇)刊の馬琴合巻『安達原秋二色樹』を翻刻紹介するものである。  本作は、浄瑠璃『奥州安達原』(近松半二ほか、宝暦一二年[一七六二]九月初演)に依拠しており、登場人物・時代設定・趣向などの点において、共通する部分が多く見られる。なかでも、四段目切に相当する「一つ家」を取り入れた場面においては、髑髏に血を注いで親子関係を判断する「血合わせ」と、親の異なる二子を幼時に交換する「取り替え子」を用いて血筋の正統性を判別している。「血合わせ」は『南総里見八犬伝』第六輯における犬村大角の逸話にも用いられており、馬琴の好んだ趣向であった。詳細は、拙稿「読本・合巻における趣向の往還―「血合わせ」を手がかりに―」(『馬琴読本の様式』清文堂出版、二〇一五年)を参照されたい。

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