第二次世界大戦末期の資材転用と鉄軌道休廃止

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  • ダイニジ セカイ タイセン マッキ ノ シザイ テンヨウ ト テッキドウキュウ ハイシ
  • A Consideration of the Relationship between the Material Mobilization Plan and Abolishing Railways and Tramways in the End Stages of WWⅡ

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抄録

本稿の課題は、第二次世界大戦末期に進行した国・民鉄に跨がる大規模な鉄軌道休廃止とその資材転用の関係を地域的視点も含めて明らかにすることにある。本稿は鉄道博物館所蔵『長崎惣之助文書』を主な史料として分析し、物資動員計画の目的とする鉄軌道の休廃止や単線化が1943年7月の国鉄線からはじまり、44年度までの回収転用によっても所要量に不足を生じたことを明らかにした。そして、物資動員計画が度々見直されたため、休廃止も計画的に進まず、国鉄線の選定では鋼材輸送距離を考慮して需給地域の近接路線を計画的に選定したが、民鉄の選定基準はより不明確で国鉄の回収状況を見ながら帳尻を合わせた可能性が高いことを指摘した。さらに1944年度の国鉄線の捻出資材の主な転用先は樺太の日ソ国境地域の鉄道延伸用と鉄鉱石を輸送する吾妻線で、また43年度の民鉄の捻出資材はセレベス島ニッケル鉱山向けであったことが判明した。

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