奈良大学図書館蔵「北村信昭文庫」写真乾板資料のデジタル化について(2)

書誌事項

タイトル別名
  • Digitizing Dry Pkates of the Kitamura Collection in the Nara University Library (2)

抄録

Departmental Bulletin Paper

2014年度に奈良大学研究助成を受けて、奈良大学図書館所蔵「北村信昭文庫」の写真乾板のデジタル化作業を行った。この研究プロジェクトでは、低コストで効率的な作業方法を検討し、取得したデータのディレクトリ構造の体系化や「地理情報標準(ISO 19XX Series)」に準拠したデータベースの設計も行った。次の段階としては、得られた情報の利活用を促進し、資料価値を高める必要がある。この課題に対しては、得られたデータを広く公開し、さらなる付加情報を得るための方法も必要である。また、資料そのものの観察と解釈に加え、潜在的な資料価値を向上させることも不可欠である。そこで、本稿では、現状の課題に対する改善および情報収集の方法を検討するとともに、資料整理を通して明らかとなった北村信昭の人物像に迫った。  結果として、技術的な課題に対しては、得られた画像を解釈し、注釈を加えるためのシステムを開発すると同時に、写真の被写体の情報を適切に管理するための応用スキーマの設計を行った。また、デジタル化された情報の利活用を促進するための方法として、クラウド・ソーシングについても検討した。北村の人物像に関しては、写真乾板に対する執着や、奈良大学総合研究所を中心としたさまざまな出来事に対する好奇心の高さ、南洋庁時代のパラオ出身者に対する人間的で誠実な人間性が明らかとなった。今後は、本研究で得られた方法を汎用的に利用するために、様々な資料での実践が必要である。

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