間接互恵状況における感情に駆られた利他主義者のシグナル

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タイトル別名
  • カンセツ ゴケイ ジョウキョウ ニ オケル カンジョウ ニ カラレタ リタ シュギシャ ノ シグナル
  • Signal of emotionally driven altruist in situations of indirect reciprocity

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説明

なぜ人々は利他行動を取るのだろうか。人々に備わる感情は、自己利益が生じないような状況でも利他行動に人を駆り立てる機能を持つ(Frank 1988=1995)。この機能に注目し、神(2007)は冷静な利他主義者よりも感情に駆られた利他主義者のほうが周囲からの印象がよいことを明らかにした。しかし、神(2007)では、実際に、このシグナルが役立つのかどうかは明らかにしていない。本研究では、「感情に駆られた利他主義者」のシグナルが間接互恵状況において有用に働くのかどうかを検討した。さらに、間接互恵状況における「感情に駆られた利他主義者」の印象を測定し、印象と行動の関連性を探った。質問紙実験の結果、利他行動の対象を自ら選ぶ場合において「感情に駆られた利他主義者」のシグナルが有用に働くことが示された。このシグナルには、間接互恵性の成立にとって大きな情報的価値があることが分かった。また、「感情に駆られた利他主義者」の印象は悪く、印象が行動を規定していないことも示された。

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