武蔵学園構内におけるナラ枯れ報告(2022年度)~学園創立以前から存在する残存林で見つかったコナラの半枯れ~

書誌事項

タイトル別名
  • Wilt Disease in Fagaceae Trees at the Musashi Academy Campus, Nerima Ward, Tokyo (2022)

この論文をさがす

抄録

type:Article

2022年夏,東京都練馬区にある武蔵学園の林で,カシノナガキクイムシが原因と考えられるコナラの枯死木がみつかった。構内に生育するブナ科樹木のフラスと穿孔の被害状況を調べたところ,コナラが最も顕著であり,シラカシ,スダジイでも確認された。マテバシイでは被害は軽微で,他の都市公園の報告とは異なりクヌギでは被害が確認されなかった。コットンを用いたトラップにより,コナラ,シラカシ,スダジイでカシノナガキクイムシの生息が確認された。冬期にかけてもフラスの発生が続き,樹木内部での活発な活動が予想されることから次年度以降も被害拡大について注視が必要である。コナラの枯死木が見つかった林は,武蔵学園が創立された1922年以前から唯一残されてきた植生であり,現在も授業や生徒の課外活動の場として利活用される貴重な学園の資源である。今後の100年を見越して,学園の緑について適切な維持・管理を進めていくことが急務である。

identifier:http://repository.musashi.ac.jp/dspace/handle/11149/2512

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ