中国地方における農業協同組合による小水力発電を支えたステークホルダーの役割

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  • チュウゴク チホウ ニ オケル ノウギョウ キョウドウ クミアイ ニ ヨル ショウスイリョク ハツデン オ ササエタ ステークホルダー ノ ヤクワリ

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抄録

本稿では、中国地方の農業協同組合による小水力発電の導入期と維持期における課題とステークホルダーの役割を明らかにした。<br>  小水力発電の導入時期と主導者織田史郎の活動期間より、1940年代後半から1960年代までを導入期、1970年以降を維持期と判断できる。導入期は多額の初期投資と電力会社との連系が課題であった。農山漁村電気導入促進法による低金利融資や中国電力による原価主義・全量売電制度などにより、多数の発電所が建設された。維持期は売電単価向上と多額の修繕費が課題であり、これらの解決に向けて中国小水力発電協会が中心的な役割を担った。本事例より、小水力発電の導入と維持には地域外部からの支援獲得のための運動や交渉が重要であったことが指摘できる。固定価格買取制度成立以降も、再生可能エネルギー事業の持続性という観点から、地域間ないしは電力会社といった外部との関係構築が重要となると考えられる。

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