1950年代半ばのソ連建築におけるニキータ・フルシチョフの言説を巡って

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タイトル別名
  • Nikita Khurushchev's Discourses on the Soviet Architecture in the Mid-1950s.
  • 1950ネンダイ ナカバ ノ ソレン ケンチク ニ オケル ニキータ ・ フルシチョフ ノ ゲンセツ オ メグッテ

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抄録

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本稿は、1930 年代の全体主義体制下のソ連において建設途中で頓挫した建築プロジェクト《ソヴィエト宮殿》が1950 年代において再び着手されるまでの経緯として、当時の政府指導者ニキータ・フルシチョフの建築に対する言説を考察するものである。政府指導者となった彼は、それ以前の体制を非難したいわゆる「スターリン批判」でこの建築プロジェクトについて言及している。これは、政府最高指導者となった彼が建築そのものに対して容喙することを示唆しているのである。本稿では、まずそうした彼の建築への容喙あるいは彼主導の建築政策をその出発点となる「設計および建設における過剰装飾の排除に関する」ソ連共産党およびソ連閣僚会議決議に至る経緯を明らかにする。その後、その排除対象となり得た建築作品の分析と考察、そして全体主義体制、つまりスターリン時代における権力者の言説との比較を通じて彼の言説が持ち得た意味に関して考察を図る。

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