迂回誘導による交通渋滞解消に際して渋滞道路の交通量の変化を安定させる迂回量の計算手法

抄録

自動車の交通渋滞は渋滞道路を走行した運転者の時間の損失や交通事故,環境汚染などの問題を引き起こすため,解決すべき問題である.交通渋滞を解消する手法として,車両の迂回誘導手法がある.この手法では,渋滞道路を通る予定の車両の運転者に迂回路を提示する事で,一時的に渋滞道路の交通需要を交通容量より低くさせ,渋滞を解消させる.しかし,渋滞が緩和した際に迂回誘導する車両数を減少させると,再び交通需要が交通容量を上回り,再度渋滞が発生する.そこで,本研究では,交通需要は道路へ流入する車両数,交通容量は道路から流出する車両数と捉え,渋滞道路へ流入する車両数と渋滞道路から流出する車両数のバランスを保つ迂回誘導量の計算手法を提案する.これにより,渋滞発生から解消に至るまでの間に交通網全体として安定した交通制御が可能になり,迂回量変更時の再渋滞や一時的な交通の乱れを防ぐことができる.交通シミュレータを用いて提案手法の性能評価を行った.評価の結果,提案手法を用いると渋滞時間と車両の平均走行時間が低減し,提案手法により渋滞解消時の道路交通が効率化することを確認した.

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