3次元点群を用いた不規則に移動する高密度群衆下での歩行者トラッキング

抄録

公共施設や商業施設など様々な人々が行きかう空間における人流計測の需要が高まっている.我々の研究グループではこれまでに,複数の 3 次元測域センサ(LiDAR)により捉えられた 3 次元点群データを用いて公共空間や準公共空間における歩行者のトラッキング(軌跡導出)を行う手法を提案してきた.同手法ではオクルージョンやノイズによる点群の欠損および複数人物の接近による点群の結合といった観測点群の不完全性による人物セグメンテーションの失敗を考慮し,カルマンフィルタとそれら状況の推定を組み合わせることで,堅牢なトラッキングを実現している.本研究では,複数人物が接近し点群が結合した際に不規則な移動が行われることに対応するため,結合した点群の人数を CNN による人数推定モデルにより推測し,再度人物同定を行うことでより堅牢なトラッキングを実現している.同大学キャンパス内において設置された複数台の LiDAR から得られる 3 次元点群を用いて,混雑した環境での不規則な移動を再現した環境および実際の混雑した環境にて提案手法の評価を行った.その結果,複数人のトラッキングにおける人検出及び ID 割り当ての精度を表す MOTA が 0.977 であり,結合した点群に対して再度人物同定を行うことにより精度が 0.122 向上することが確かめられた.

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