全方位カメラによる設備外形を考慮した天井パノラマ画像合成手法

抄録

運用中の建物の天井改修において,天井の現況を示したデータを一から作るには人的・経済的コストがかかる.安価な全方位カメラで撮影した動画から天井を一様に写したオルソ画像を合成できれば,コストを抑えられる.本研究では,天井を一様に写す天井パノラマ画像が,忠実に実際の天井を再現できるように,合成時に天井パノラマ画像上の各地点が最も綺麗に写るような合成手法を提案する.また,天井設備種類特定に役立つように,設備外形が破綻なく写ることにも考慮する.設備外形が破綻なく写された天井パノラマ画像は,設備が 1 枚の画像から合成されるため, その特徴を確実に捉えられる.実験では,個室が複数ある約 273㎡ の室内空間で全方位動画を撮影し,データを収集した.合成したパノラマ画像を精度及び同一設備の合同性の観点で評価したところ,提案手法はベースラインと比較して高精度で,視認性が高いことを確認した.

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