近年の土砂災害シリーズ 北海道胆振東部地震で発生した崩壊地斜面における初期の表面侵食の観測

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タイトル別名
  • An observation of early-stage surface erosion on collapsed hill slopes triggered by 2018 Hokkaido eastern Iburi earthquake
  • キンネン ノ ドシャ サイガイ シリーズ ホッカイドウ イブリ トウブ ジシン デ ハッセイ シタ ホウカイチ シャメン ニ オケル ショキ ノ ヒョウメン シンショク ノ カンソク

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抄録

本研究は,測量精度が高いRTK(Real-Time Kinematic)-UAV(Unmanned Aerial Vehicle)を用いて,胆振東部地震により発生した崩壊地斜面の表面侵食を面的かつ非破壊でその侵食実態を明らかにすることを目的とした。また,気温や風速といった気象データ,表面侵食の影響を受ける表層土の厚さを測定し,その侵食要因を検討した。その結果,厚真町の北部地区では,南部地区よりも崩壊地斜面の表層土が厚く,地震後半年から1年の表面侵食量は2.3倍であることが分かった。また,表面侵食は雨裂や崩壊地辺縁で多く発生していることも定量的に示された。さらに,本地域における表面侵食は,晩秋から早春の凍結融解作用や,これによりほぐされた土壌に雨・風が作用することで,促進されている可能性が示唆された。本研究により,崩壊地斜面の表面侵食の地域間差が観測されただけでなく,高い頻度で地表面が変化する地形の観測において,RTK-UAVを用いた手法が有効であることが示された。

収録刊行物

  • 水利科学

    水利科学 65 (6), 129-145, 2022-02

    東京 : 日本治山治水協会

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