鶏のコクシジウム症の病理

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タイトル別名
  • Pathology of coccidiosis in chickens
  • ニワトリ ノ コクシジウムショウ ノ ビョウリ

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抄録

鶏のコクシジウム症は世界各国で養鶏産業に重大な損害を与えている。わが国で本症はEimeria tenella,E. necatrix,E. brunetti,E. maxima,E. acervulinaによって引き起こされる。病理学的には,これらの原虫の組織学的特徴やそれらに基づく病変により,感染した種を推定することが可能である。本解説は鶏コクシジウム症の病理学的変化について解説する。E. tenella,感染鶏では,盲腸におけるガメトゴニー(有性生殖),シゾゴニー(無性生殖)を伴う出血性カタル性腸炎,E. necatrix感染鶏では,小腸の腸線周囲におけるシゾゴニーを伴う出血性カタル性腸炎が特徴的である。E. brunetti,感染鶏では,小腸下部,盲腸起始部,直腸でのガメトゴニーを伴う腸炎,E. maxima感染鶏では,小腸の腸上皮細胞直下の固有層におけるガメトゴニーを伴う腸炎,E. acervulina感染鶏では小腸でのガメトゴニーを伴う腸上皮細胞過形成がみられる。このほか本症の分子病理学の応用についても述べる。

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