カナダ・オンタリオ州の保育・幼児教育の現在

書誌事項

タイトル別名
  • A study on current situation of early child education and child care in Ontario, Canada

抄録

本稿は、カナダ・オンタリオ州で行われている保育・幼稚園教育の改革と実践を概観し、そこでの問題点を明らかにすることを目的とする。カナダでは各州に教育の権限・責任があり、公立の幼稚園・小・中・高の管理は地域の教育委員会が行っており、義務教育期間や幼児教育機関(幼稚園)の就園年数も州により異なっている。オンタリオ州の幼稚園教育は、4 歳児から開始され2 年間提供されており、園は通常小学校に併設されている。オンタリオ州では6 歳から義務教育が開始されるため、幼稚園に入園するかどうかは強制ではないが、多くの家庭の子どもが入園している。一方保育は、民間が主として提供しており、州内のチャイルドケアセンター、保育所(ナーサリー)、および在宅保育などで行われている。 オンタリオ州の保育・幼児教育の改革として、本稿では、「今日のすべての乳幼児のための学習(ELECT)」(2007)・「学習はどのように起こるのか(HDLH)」(2014)・「幼稚園教育要領」(2016)の3 つの指針を挙げ、それらがどのように現場で使われているか、どのような問題があるかを考察した。また、カナダ・ブリティッシュコロンビア州での先例を基に開始された、オンタリオ州内のプロフェッショナルディベロップメントを説明し、この取り組みの現状と今後の課題について述べた。

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