ニュージーランドの後期中等教育における校内評価に関する研究-スタンダードとパフォーマンス課題に注目して-

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タイトル別名
  • A Study on Internal Assessment for Senior Secondary Education in New Zealand -Focusing on the NCEA Standard and its Performance Task-
  • ニュージーランド ノ コウキ チュウトウ キョウイク ニ オケル コウ ナイ ヒョウカ ニ カンスル ケンキュウ : スタンダード ト パフォーマンス カダイ ニ チュウモク シテ

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抄録

本稿では、ニュージーランドの後期中等教育修了資格であるNCEA(National Certificate for EducationalAchievement)にて設定されている到達度スタンダードと校内評価の基準、それらに沿ったパフォーマンス課題、特に探究活動の一連の関係性を明らかにすることで、その特徴を考察する。 まずNCEA や校内評価の特徴を整理した上で、各科目に設定されている到達度スタンダードの教育目標の動詞を分類し、“demonstrate understanding” が最も多く用いられていることを分析していく。そして歴史と生物の教科を事例として、その教育目標を有する到達度スタンダードの評価基準を分析し、教育目標に副詞が段階ごとに加わることで、それぞれの基準が示されていること、また副詞が表す程度や範囲、量や質、また高次の能力によってその基準のエビデンスとなっていることを解き明かす。 この評価基準に基づいて構成されるパフォーマンス課題では、単に理解したことを述べればいいというものではなく、具体的問いと根拠のための情報収集などの探究活動が求められ、また探究活動であっても知識や概念の基本的な原理や重要性の認識、高次の能力を伴った理解力と説明力が求められることを明らかにする。 教員はこうした到達度スタンダードと評価基準に加え、『校内評価リソース』の「課題例」を参考にしてパフォーマンス課題を構成することができる。そのことで総括的評価としての公平性を確保することが期待されていることを読み解く。 これらの分析から、NCEA では到達度スタンダード、評価基準、パフォーマンス課題が一貫性をもち、深みや幅を持つ授業を展開できる構造になっている点が特徴であることを考察した。

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