人工市場を用いた見せ玉が市場や高頻度取引に与える影響の分析
この論文をさがす
抄録
見せ玉とは,実際は取引するつもりのない注文を注文板上に大量に出し,その板情報を見た投資家たちに注文の需給を誤解させて,市場価格を操作する不正な取引手法である.一方,高頻度取引(HFT)は速さを追求するために比較的単純なアルゴリズムで構築されていることが多く,見せ玉など想定されていない事態が発生すると多くの損失を出す恐れがある.そこで本研究では,人工市場を用いて,見せ玉が高頻度取引(HFT)にどのような影響を受けるか検証を試みた.その結果,見せ玉が大きくなるほど,市場のスプレッドは小さくなり,ボラティリティも小さくなることが確認できた.また,オーダーブックインバランス戦略をとるHFTは,見せ玉が大規模になるほど運用成績が悪化していくことがわかった.
収録刊行物
-
- 第85回全国大会講演論文集
-
第85回全国大会講演論文集 2023 (1), 589-590, 2023-02-16
- Tweet
キーワード
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1050579753470409472
-
- NII書誌ID
- AN00349328
-
- Web Site
- http://id.nii.ac.jp/1001/00229975/
-
- 本文言語コード
- ja
-
- 資料種別
- conference paper
-
- データソース種別
-
- IRDB