看護師のワーク・エンゲイジメントに関連する要因の検討

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タイトル別名
  • カンゴシ ノ ワーク ・ エンゲイジメント ニ カンレン スル ヨウイン ノ ケントウ
  • An Examination of Factors Affecting the Work Engagement among Nurses

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抄録

近年,ポジティブ心理学の高まりとともに,仕事に誇りを持ち,仕事にエネルギーを注ぎ,仕事から活力を得て活き活きとしている心理状態であるワーク・エンゲイジメント(Work engagement以下,WE)が着目されている.そこで,本研究では,1. 看護師のWEの現状を明らかにすること,および,2. WEに関連する要因を明らかにすることを目的とした.対象者は,A病院に勤務する常勤の看護師782名であった.対象者の属性,WE得点,WEに関連する要因の充足,未充足について自記式質問紙調査を行った.調査表を配布した782名のうち549名より回答があり,回答項目に欠損のある11名を除外し,538名を分析対象とした.平均年齢は32.1±8.7(標準偏差)歳,看護師経験年数は平均10.1±8.1年であった.二項ロジスティック回帰分析の結果,WE得点のオッズ比が統計的に有意であったのは,「希望の部署で働ける」,「上司からのサポート」,「自身の健康」,「患者からの感謝」,「仕事との距離感」の 5 項目であった.看護師のWEを向上させるためには,心身がより健康であり,希望の部署で働くことができること,上司からのサポートや患者からの感謝といった心理的サポート・報酬があること,仕事から心理的な距離を保つことが重要であることが示唆された.

保健学研究, 36, pp.1-8; 2023

収録刊行物

  • 保健学研究

    保健学研究 36 1-8, 2023-12

    長崎大学大学院医歯薬学総合研究科保健学専攻

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