妓楼建築の保存・活用にみる遊廓の記憶と地域―奈良県大和郡山市旧洞泉寺遊廓旧川本家住宅「町屋物語館」を中心として―

書誌事項

タイトル別名
  • Remembrance and Preservation of the Architecture of a Red Light District: A Case Study of“Machiya Monogatarikan,” the Former Residence of the Kawamoto Family in Nara Prefecture
  • ギロウ ケンチク ノ ホゾン ・ カツヨウ ニ ミル ユウカク ノ キオク ト チイキ : ナラケン ヤマトコオリヤマシ キュウ ドウセンジ ユウカク キュウ カワモトカ ジュウタク 「 マチヤ モノガタリカン 」 オ チュウシン ト シテ

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抄録

近年では遊廓に関する関心の高まりもあり、各地でかつて貸座敷や特殊飲食店として営業していた妓楼建築の保存·活用が行われつつある。しかしながら、遊廓は売買春という⌈負の歴史⌋を抱えた空間でもあり、ときに遊廓が存在した過去の記憶は地域社会にとって忌避されることもある。本稿は、現代の地域社会のなかで、売春という負の記憶と結びつく遊廓という空間が、いかに⌈保存⌋され、語られていこうとするのかを明らかにするものである。本稿では新聞記事を用いて売春防止法施行から現在に至る、妓楼建築の保存·活用事例を概観したのち、奈良県大和郡山市旧洞泉寺遊廓で貸座敷として営業していた川本家住宅を主要な事例として、市による建築物の取得や⌈町屋物語館⌋としての一般公開に至るまでのプロセス、町屋物語館における遊廓の記憶に関する語りを分析した。

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