憲法18条の可能性(一) : 「その意に反する苦役」は何を意味するか

書誌事項

タイトル別名
  • The Potential of Article 18 of the Japanese Constitution (1) : What "Involuntary Servitude" Means?
  • 憲法18条の可能性(1)「その意に反する苦役」は何を意味するか
  • ケンポウ 18ジョウ ノ カノウセイ(1)「 ソノ イ ニ ハンスル クエキ 」 ワ ナニ オ イミ スル カ

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抄録

憲法18条,特にその後段「その意に反する苦役」はこれまで,強制労働に関する条文と解されてきた。しかし,その文言を見てみると,「その意に反する」は「内心に反する」と解することができる。これと,「苦役」という「行為」が問題となるとすれば,この部分は「内心に反する行為を強制されない」ことに関する条文であるとも言える。このように考えると,従来の解釈とは違った解釈が18条には成立する余地があるように思われる。そこで,これまで議論されることの少なかった18条の制定過程と,18条のモデルとされたアメリカ合衆国憲法修正13条を手がかりとして,18条の再検討を行った。  (一)においては,これまでの18条に関する議論を振り返った上で,18条の制定過程の検討を行った。その結果,18条についてGHQが意図していたことを日本政府は十分に汲み取ることができておらず,限定的な解釈を採用しているのではないか,ということを示した。

収録刊行物

  • 法学新報

    法学新報 128 (11-12), 43-74, 2022-03-31

    法学新報編集委員会

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