A Case of Miscommunication Between Constitutional Lawyers and International Lawyers : In the Case of “Threat of Force”

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抄録

いまさら繰り返すまでもなく,日本国憲法と国連憲章には思想および用語において多く類似する事項がある。これらのなかには国連憲章第 2 条 4 項と憲法第 9 条に掲げられた「武力の行使(use of force)」と「武力による威嚇(threat of force)」の禁止または放棄する規定がある。これら規定は,伝統的な戦争禁止規定よりも射程を拡張し,また実際に武力を行使していなくとも当該規範に違反しうるということで憲法学・国際法学の認識は共通している。しかしながら,両ディシプリンは「武力による威嚇」については,その思想性や想定する事案や具体例については,必ずしも見解は一致しない。  本稿は,1.国際法学と憲法学におけるそれぞれの「武力による威嚇」観念を素描し,2.政府の見解のなかでこれらの食い違い(ミス・コミュニケーション)が反映されていることについて論じる。

収録刊行物

  • 法学新報

    法学新報 128 (10), 417-433, 2022-03-30

    法学新報編集委員会

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