人工知能に対する量子情報科学の応用可能性(その1) (論文名のみ掲載)
書誌事項
- タイトル別名
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- Applicability of Quantum Information Science to Artificial Intelligence (Part 1)
- ジンコウ チノウ ニタイスル リョウシ ジョウホウ カガク ノ オウヨウ カノウセイ ソノ1
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抄録
P(論文)
近年GPT(Generative Pretraimed Transformer)と呼ばれる新たな自然言語処理技術が実用化されるに至り,生成系AI(Artificial Intelligence)の使用を巡って世界中で大きな社会変革の波が訪れている。AIの本質は学習であり,そのためにはクラウド上に存在する膨大なデータを高速で通信・処理する必要がある。そして現在,日々増大するデータを有効活用するために,より情報処理能力の高いコンピューターの開発が進められている。その最有力候補が量子コンピューターであり,現在主要先進国において精力的に研究開発されているが,量子コンピューターの利用にはもう一つ別の側面が考えられる。それは量子コンピューターの従う論理(量子論理)そのものをAIの意思決定に利用することで,既存のコンピューターおよび我々人間の従う論理(古典論理)とは異なる仕方で,従来困難と思われていた課題の解決に役立たせるという野心的な試みである。これに関する研究は今までほぼ行われてこなかったが,AIと量子コンピューターの開発が飛躍的に進みつつある現在,真剣に研究する価値があるものと思われる。そこで,本研究では,量子情報科学のAIへの応用可能性の一つとして,そのような試みの実現可能性と利用可能性について考察する。そのためには,量子力学の理解が欠かせない。特に,量子力学に特有の性質として「重ね合わせの原理」と「量子エンタングルメント」の理解が重要である。そこで,本研究を2部構成とし,本論文では量子力学の基礎原理としての「重ね合わせの原理」と「量子エンタングルメント」を解説すると共に,それらの性質に起因する古典力学的な観点から見たパラドックスを2つ取り上げ,量子力学の本質を明確にすると共に,その意味することについて情報科学的な観点から考察する。そして次の論文で,量子力学の原理に基づく意思決定の特徴を明らかにすると共に,量子情報科学のAIへの応用可能性の一つとして,そのような試みの実現可能性と利用可能性について考察する。
収録刊行物
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- 流通経済大学流通情報学部紀要
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流通経済大学流通情報学部紀要 28 (1), 1-84, 2023-10-10
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050580837530782336
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- NII書誌ID
- AA11124725
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- IRDB