教養教育科目として行われる大学キャンプ実習の教育効果の検討 : 社会人基礎力および自己開示に着目して

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  • Examination of the Educational Effects of University Camp Program Conducted as a General Education Focusing on Fundamental Competencies for Working Persons and Self-Disclosure

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抄録

現代社会は変化が激しく、複雑であり、予測が困難な時代と呼ばれている。大学教育においては、学生がこのような時代を生き抜く力を養うために様々な取り組みがされている。その一つの手段として野外教育の手法を用いたアプローチも行われ、これらは社会人基礎力や他者との関係性の構築といった、様々な変化に対応する能力の向上に影響することが期待される。そこで本研究では、教養教育科目として行われる大学キャンプ実習の教育効果について、社会人基礎力や自己開示の変容から明らかにすることを目的とした。  キャンプ実習の参加者に対して、社会人基礎力や自己開示の深さ、班内で親しい友人数に関するアンケート、さらに自由記述レポートを実施した。その結果、キャンプ実習が社会人基礎力の向上に影響し、その効果は2ヶ月後まで継続することが明らかとなった。自己開示の深さについては、2泊3日のキャンプでも効果は期待できるが、決定的に影響するまでには至らないことも明らかとなった。またキャンプ実習での学びや今後の課題として、自由記述レポートの分析からそれぞれ4つのカテゴリーに分けられ、「自然」、「他者」、「自分自身」、「生活」に関する内容にまとめられた。さらに、キャンプ実習において交友関係が深まり、親しい友人が増加した者は、そうでない者と比較し、社会人基礎力をより高く向上させることが示唆された。

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