『女学雑誌』にみる食とジェンダー:「家庭料理」規範の形成をめぐって

書誌事項

タイトル別名
  • 『 ジョガク ザッシ 』 ニ ミル ショク ト ジェンダー : 「 カテイ リョウリ 」 キハン ノ ケイセイ オ メグッテ
  • Food and Gender in the Magazine Jogaku Zasshi:On the Formation of Home-Cooking Norms

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抄録

本論文は,近代のジェンダー秩序が形成された明治期に,どのように「家庭料理」が語られたのかを分析することで,「家庭料理」規範の形成を問う。主な資料としたのは,「女学」に係わるオピニオン誌であった『女学雑誌』であり,「家庭料理」という概念が構築されていった 1880 年代後半から 1890 年代(明治 20 年代から明治 30 年代初め)の記事を対象として,食とジェンダーに関わる言説を分析した。その結果,『女学雑誌』において,近代家族の理想として「家庭(ホーム)」が提案され,食事中の「和楽団欒」が推奨されたこと,「手本としての欧米」と「伝統の創造」という二つの論理によって,女性(主婦)が「家庭料理」を采配すべきだとされたこと,さらに栄養や衛生等の科学的な「知」をふまえた食物や料理の改良が期待されたことがわかった。女性(主婦)は「家庭料理」を采配する際に,家族の「健康・栄養」「嗜好」の他に,「一家団欒」「料理の水準」「家計」などを考慮すべきだとされる一方で,女性(主婦)の「手作り」でなければならないとする規範はほとんどみられなかった。

家庭料理

ジェンダー

女学雑誌

主婦

食物改良

identifier:SO007800011751

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