生死をめぐる意思決定と社会福祉:「安楽死を遂げた日本人」の社会構造的理解をふまえて

書誌事項

タイトル別名
  • セイシ オ メグル イシ ケッテイ ト シャカイ フクシ : 「 アンラクシ オ トゲタ ニホンジン 」 ノ シャカイ コウゾウテキ リカイ オ フマエテ
  • Social Welfare in Life-or-Death Decision-Making:Based on the Social Structural Understanding of “Japanese Who Chose Euthanasia”

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抄録

人生の最終段階における医療・ケアのあり方が政策課題となり,医療・介護の現場では,生死をめぐる意思決定の支援への関心が高まっている。そこで社会福祉が担うべき役割は何か。これについて本格的な議論はなされていない。今日,心理学,哲学など,いずれの学問領域においても「自由意志」の存在については否定的な見解が多く示され,いまだ不確かな存在であるといえる。意思あるいは意志を持つとされる主体は「外来要素の沈殿物」とみなされる。死に向かう意識,それと因果関係のある生活構造と社会構造に目を向けると,そこには日本の家族主義的価値の根付く社会制度があって,介護,経済,相談体制などの社会化の必要性が浮き彫りになる。資本主義社会の矛盾がもたらす社会問題としての生活問題,この解決を担う社会福祉は,ここでも社会構造を見据えた取り組みが必要である。そのことを,2 人のジャーナリストにより報道された安楽死事例の,社会福祉学としての分析を通して明らかにした。

意思決定

ACP

安楽死

社会福祉の対象

ソーシャルワーク

identifier:FO002000011730

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