SAP療法により糖尿病コントロールが著明に改善した1型糖尿病の1例

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  • Remarkable improvement in glucose management through SAP therapy in a patient with type 1 diabetes mellitus

抄録

1型糖尿病(Type1 Diabetes Mellitus:T1DM)は,膵β細胞破壊によるインスリン欠乏を来たす疾患である.本邦でのT1DMの発症頻度は,1.4–2.2/10万人/年と比較的少ない.T1DM患者は,生涯に渡ってインスリン投与と血糖管理が必要となる.近年,糖尿病治療に関するデバイスが次々と登場し,インスリン治療方法の選択枝が広がり,新たな血糖コントロールの指標も登場してきている. 症例は10歳発症のT1DM患者.同級生にT1DMであることを知られたくないため,学校でインスリン皮下注射も自己血糖測定も十分できずに血糖コントロール不良であった.17歳時にリモコン操作可能なインスリンポンプを用いたSensor Augmented Pump (SAP)療法を導入することで良好な血糖コントロールが得られた.小児期発症T1DM患者は,罹病期間が非常に長期にわたるばかりでなく,成長とともに生活環境が大きく変化する.したがって患者毎に適した治療デバイスを選択し,良好な血糖コントロールを維持することが大切である.

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