生活環境が中学生の自尊感情に与える影響 : 東京都 都市部と離島における因子構造モデルによる検討

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  • Effects of living environment on the self-esteem of junior high school students : factor structure modeling in Tokyo urban area and isolated islands

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抄録

本研究は,都市部と離島の生活環境が中学生の自尊感情に及ぼす影響を,因子構造モデルを用いて明らかにすることを目的とした。対象は,都市部の中学生577名と離島3校の中学生135名である。調査は2022年9月から10月にかけて,無記名の自記式調査票を用いて実施した。調査項目は,生活習慣,周囲との関係,居住地域,体験,自己評価に関するもので,自尊感情尺度,POMSを用いた。因子分析の結果,都市部では7因子,離島では5因子の構造が抽出された。その後の共分散構造分析の結果,都市部と離島ともに,親子関係が自尊感情に最も大きな影響を与えることがわかった。特に,親との日常的な会話や,認められ,受け入れられているという実感が,子どもの自尊感情を高めていることが明らかとなった。離島の項目には,親子関係に加え教師が含まれており,都市部よりも親との関係が密であることがわかる。さらに,親などとの良好な関係が,自然体験や様々な体験の共有につながり,自尊感情を育むことが明らかになった。また,自尊感情の向上は,良質な睡眠を確保することで身体的健康感を高めることが確認された。 本研究では,因子構造モデルにより,様々な因子の直接的・間接的な影響により,自尊感情に構造的に影響を与える因子を明らかにすることができた。

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