アジア人における被人種差別体験と コーピングの様態に関する文献レビュー

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  • Literature Review on Experiences of Racial Discrimination and Coping Styles Among Asians

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抄録

被人種差別体験へのコーピングに関する研究が蓄積されているが,このテーマに関してアジア人を対象とした研究は少ない。本研究では「アジア人における被人種差別体験に対するコーピング」を扱った先行研究を概観し,得られている知見ならびに知見のギャップを特定することを目的として,22本(量的研究17本,質的研究4本,混合研究1本)の文献レビューを行った。その結果,従事型コーピングは被人種差別体験と精神的健康度との関連を弱め,撤退型コーピングは強めることが示された。加えて,アフリカ系と比較し,アジア系では社会的サポート・宗教的コーピングの使用が少ない可能性が見出された。また,若い世代は,より対決的なコーピングを使用している傾向があった。一方で,質的研究が少数であること,および量的研究において文化的背景や人種差別の特性を考慮したコーピングの測定が行われていないことが確認された。この結果を踏まえ,人種差別に対するアジア系の社会・文化的背景を反映したコーピングの実態についてはさらなる研究の必要性が示唆された。

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