大学生の抑うつの程度とマンガ読書内容/読み方との関連――抑うつ予防的アプローチによる検討――

書誌事項

タイトル別名
  • Degree of depression among college students in relation to the content/reading style of manga reading : From a depression prevention perspective

抄録

白石(2023)は、大学生の抑うつ予防に関し、日常で継続適用可能な媒体としてマンガに着目し、ポジティブな読書効果と関連するテーマやストーリー、および抑うつ予防的に作用することが示唆されるマンガ読書行動の生起要因について大学生の自由記述から整理している。本研究では、白石(2023)のデータおよびその分類結果を基に作成した質問項目を使用し、大学生の抑うつの程度と、マンガ読書内容および読み方との関連について検討した。現在マンガ読書をしている大学生339名のデータを分析した結果、抑うつの程度が高い群の方が、非抑うつ群よりも、ポジティブな読書効果と関連する内容を含むマンガの読書頻度が総じて高く、また、気分調節および自己対峙の意図をもってマンガ読書を行う頻度および集中して読む頻度が高いことが示された。抑うつ傾向者は、そのようなマンガ読書を行うことにより抑うつがより高まることを抑制しているとも考えられるものの、本結果は因果関係を示すものではないため、今後の更なる検討が必要とされる。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ