「垂毛亦比肩」考:『懐風藻』下毛野虫麻呂「秋日於長王宅宴新羅客詩」と祥瑞

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  • 「 スイモウ マタ ヒケン 」 コウ : 『 カイフウソウ 』 カモウ ノムシ マロ 「 シュウジツ オ チョウオウタク エン シラギキャクシ 」 ト ショウズイ

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『懐風藻』所収の下毛野虫麻呂「秋日於長王宅宴新羅客詩」の第三・四句「況乃梯山客 垂毛亦比肩」は、新羅使が瑞獣を伴って来朝したことを表している。「垂毛」は竜馬の肢体を、「比肩」は比肩獣をそれぞれ指している。竜馬も比肩獣も『芸文類聚』瑞祥部に記され瑞獣であり、『延喜式』にも大瑞として掲げられる。瑞祥の知識を持っていた下毛野虫麻呂は、新羅使送別宴での創作にあたり、日本に一千年に一度と言われる七百年続く聖代が出現した奇跡に呼応して、新羅使によって瑞獣がもたらされる奇跡が起こったと観念することによって、天皇と新羅使の双方を讃美することを意図したと考えられる。

identifier:KG003100011793

Journal

  • 京都語文

    京都語文 31 153-174, 2024-02-29

    佛教大学国語国文学会

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