脳卒中患者の発症後から職場復帰までの リハビリテーションに対する気持ちの変化と職場復帰支援

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  • Changes in the feelings of stroke patients regarding rehabilitation and return to work, and support for return to work

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抄録

地域在住の脳卒中による運動機能障害をもつ者2名を対象に、発症後から職場復帰に至る経過におけるリハビリテーションに対する気持ちの変化と職場復帰過程を明らかにし、地域在住脳卒中患者の医療的支援と職場復帰支援の示唆を得ることを目的に半構造化面接を行った。結果として、脳卒中患者の発症後から現在に至る気持ちの変化を、282コード、107サブカテゴリ、38カテゴリに分類した。脳卒中患者の気持ちの変化と復職に至る経過として、①気持ちの変化では、発症後から現在に至るまで職場復帰への希望や仕事に対する自負の思いがリハビリテーションの動機となり、生活機能の拡大と自己実現に影響を与えたと考えられた。②長期にわたるリハビリテーションの実施状況では、障害者に関わる法制度の変更、制度上の制限、制度のわかりずらさから希望するリハビリテーションを受けることが叶わず、リハビリテーションの中断に至っていた。③回復期~在宅移行期の脳卒中患者は、今後の就労・生活について具体的に考えるために、他者の言葉よりも、生活や就労に必要な能力に関する自身の感覚を重視していた。④脳卒中患者の復職過程において、協力者の有無と職場の受け入れ態勢には個人差があり、療養と並行して患者自身が職場復帰の方策を模索しなければならない状況があった。看護への示唆として、急性期からの継続的長期的なかかわりと復職を念頭に置いたマネジメント、療養の場の移行期におけるリハビリテーション継続支援、在宅移行後の具体的な生活の見込み、対象に合った制度とその活用方法、就労や生活における機能回復のための効果的なリハビリテーション方法とその科学的根拠に関する情報提供を行い、健康管理と就労の両立支援が必要であると考えられた。

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