学生実習による雨天時の林道巡視

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  • Inspection Survey of Forest Roads under Rainy Weather Conditions Conducted as Practical Training for Students

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抄録

信州大学農学部附属AFC手良沢山演習林において,2023年6月に実施予定の学生実習による林道維持管理作業は,雨天のため林道巡視(調査)に変更して実施された。学生には実習の目的を明示し,まず講義室にて林道の維持管理の意義や排水施設についての講義を行った。その後,現地に徒歩で移動して,約760mの区間を1往復して巡視を行い,路面のえぐれや側溝のつまりなど問題箇所を地図上に記録させた。巡視は実習スタッフを含め36名,11 0分で完了した。レポートの記載内容の集計結果から,林道巡視に関することの記述がのべ64名と最多であった。次いで,雨天時の実習に関することの記述がのべ53名と多く,そのうち雨天時の実習の意義(「実際に水や土砂の動きを観察できた」など)の記述(14名)が雨天時の実習の欠点(「記入用紙が濡れた」など)の記述(10名)より多かった。また,学術的・技術的な興味喚起に関する記述,林道維持管理の重要性に関する記述も,それぞれのべ33名,のべ23名と比較的多かった。雨天時の実習にもかかわらず学習効果が得られたことには,学生への実習目的の明示,雨天時にまさに観察できる内容の設定,代替の実習の用意周到な準備,学生の野外実習への慣れなどが寄与したものと考えられた。

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信州大学農学部AFC報告 22 : 55-61, (2024)

収録刊行物

  • 信州大学農学部AFC報告

    信州大学農学部AFC報告 22 55-61, 2024-03-31

    信州大学農学部附属アルプス圏フィールド科学教育研究センター

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