「-まる」「-める」を伴う形容詞派生動詞の使用傾向 : 自他対応に着目して

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書誌事項

タイトル別名
  • Usage of adjective-derived verbs with -maru and -meru : Focusing on corresponding transitive and intransitive verbs
  • マル メル ヲ トモナウ ケイヨウシ ハセイ ドウシ ノ シヨウ ケイコウ ジタ タイオウ ニ チャクモク シテ

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抄録

「語」である形容詞派生動詞と,「句」である「形容詞の連用形+なる/する」の類似性に着目し,コーパスより収集したデータをもとに,それぞれの使用傾向の分析および,使用傾向に関わる要因の考察を行う。まず,自他の比較より,「語」では他動詞形の使用比率が高く,「句」では自動詞相当表現の使用比率が高いという使用傾向がみられることを示す。そして,その要因は「語」ではその形態的特徴,「句」では「なる」と「する」の語彙的意味の違いにあると考える。次に,「語」と「句」の比較より,自動詞表現では形容詞によって使用傾向に差がみられ,他動詞表現ではどの形容詞においても「語」の使用比率が高い傾向がみられることを示す。前者の要因として「語」と「句」の意味の違いおよび共起する名詞句の偏りを挙げ,後者の要因は自他の傾向にみられた要因と共通することを述べる。以上の結果は,形態的特徴だけではなく,意味的条件,統語的条件によっても使用傾向に差が現れることを示唆している。

収録刊行物

  • 阪大日本語研究

    阪大日本語研究 36 45-62, 2024-02

    大阪大学大学院人文学研究科基盤日本語学講座

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