現代新聞語彙における“基本語化”と“非基本語化'’ : 使用率・均等度の平均変化率を用いた量的検討

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タイトル別名
  • Changes in the basic vocabulary of modern newspapers : A quantitative study focusing on the lexical dispersions
  • ゲンダイ シンブン ゴイ ニ オケル キホンゴカ ト ヒキホンゴカ シヨウリツ キントウド ノ ヘイキン ヘンカリツ ヲ モチイタ リョウテキ ケントウ

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抄録

計量的な拮本語彙史研究のための一試論として、現代(20世紀半ば以降)の新聞語彙を対象に、基本語化および非華本語化した語の取り出しを試みた。『毎日新聞』をデータとする通時コーパスを用い、使用率の変化を必要条件、均等度(語彙散布度)の変化を十分条件として、それぞれの(1960年から2010年までの50年間における)平均変化率を観測年すべてに使用例のあった語のみを対象に測定し、基本語化・非基本語化ともに100語程度の候補語を抽出した。得られた候補語を語種・品詞の語類別に整理すると、堪本語化においては漢語名詞(サ変可能)・外来語名詞の多さが、非基本語化においては和語副詞・漢語副詞の多さが目立つ結果となった。また、基本語化の度合いが最も大きい和語動詞「明かす」について用例を検討した結果、その《明らかにする内容》を表す文法形式が、おおよそ「~ヲ」(ヲ格補語)から「~コトヲ」(コト節)、「~卜」(卜節)へと拡大し、とくに卜節の用法の増加が「明かす」の華本語化に大きく関与している可能性を見出した。

収録刊行物

  • 阪大日本語研究

    阪大日本語研究 34 1-25, 2022-02

    大阪大学大学院文学研究科日本語学講座

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