ニッケル酸化物の抵抗変化を用いた不揮発性メモリの基礎研究

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タイトル別名
  • Fundamental Research of Nonvolatile Memory utilizing Resistive Switching Property of Nickel Oxide
  • ニッケル サンカ ブツ ノ テイコウ ヘンカ ヲ モチイタ フ キハツ セイ メモリ ノ キソ ケンキュウ

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抄録

抵抗変化特性を有するニッケル酸化物(NiO)薄膜が、抵抗変化型不揮発性メモリ(ReRAM)用材料の1つとして近年大いに注目されている。まず、白金(Pt)を電極としたNiO/Pt構造に対して、02とAr雰囲気中で400℃から1000℃までのアニールを行った。アニールによってNiO薄膜の結晶化が進行し、抵抗値が増加する傾向にあることを確認した。特にAr雰囲気中で高温アニールを行った試料では高抵抗状態で複数の抵抗値が観測され、多値化の可能性が示唆された。また、NiO薄膜をn型シリコン(Si)基板上に堆積してpn接合を作製し、アドミッタンス法という手法を用いて電気伝導に寄与するキャリアが存在しうる欠陥準位の深さや密度を検出した。酸素組成が1.07であるNiO薄膜において、室温における放出時定数2.3μsである単一の欠陥準位が、価電子帯端からの深さ約170meVに存在していることがわかった。この値は、Pt/Ni01o/Pt積層構造の初期状態もしくは高抵抗状態での抵抗の活性化工ネルギーと同等である。正孔をトラップする深さ170meVの位置に存在する欠陥準位からの正孔の熱励起によるバンド伝導を示唆するものと考えられる。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1050581168901928576
  • NII論文ID
    120006881705
  • NII書誌ID
    AN10426571
  • HANDLE
    11094/76854
  • ISSN
    09189890
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    journal article
  • データソース種別
    • IRDB
    • CiNii Articles

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