日本手話話者の支援を活用した聴母によるろう児への絵本読み活動とその効果

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書誌事項

タイトル別名
  • The Effects of a Hearing Mother's Reading Picture Books to Her Deaf Child Based on the Support from a Signer of Japanese Sign Language
  • ニホンシュワ ワシャ ノ シエン ヲ カツヨウ シタ チョウボ ニ ヨル ロウジ ヘ ノ エホン ヨミ カツドウ ト ソノ コウカ

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研究論文

ろう者の統語的な知識や読解力は一般的に10歳前後の聴児のレベルにとどまると報告する研究は少なくない。しかし、生後すぐからふんだんに手話言語に接触できる環境では、手話を母語とした母語発達は音声言語の母語発達と同様に進む。ただし、ろう児の大多数は手話接触経験のない聴者の家庭に生まれる。従ってろう児の母語習得の遅れを防ぐためには、発達の初期段階において親子両方に対する日本手話の支援を実施することが極めて重要となる。こうした課題を踏まえ、本研究では、ろう講師の支援を受けつつ、聴の親が日本手話でろう児へ絵本読みをする実践を9ヵ月間にわたり観察した。延べ130回の記録動画から抽出した7回の実践記録の分析から、母千双方の日本手話及び音声日本語の使用語彙数、及び母子の視線共有の回数の増加が確認された。こうした変化について、ろう講師からのアドバイスの内容及びその後のインタビューなどと合わせて検討し、この活動が母子の言語能力の発達にもたらす効果について考察する。

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