名詞の助数詞的用法の機能に関する検討 : 個別化と範疇化に注目して
書誌事項
- タイトル別名
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- A study on the function of nouns used as classifiers : Focusing on individualization and classification
- メイシ ノ ジョスウシテキヨウホウ ノ キノウ ニ カンスル ケントウ コベツカ ト ハンチュウカ ニ チュウモク シテ
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説明
日本語の数詞に続く表現の中には、「3項目挙げる」「2容疑者を逮捕」のように、名詞を助数詞として用いるものがある。本稿ではこれを「名詞の助数詞的用法」と呼び、これらが助数詞とどのように異なるのかについて機能の面から検討した。助数詞(類別詞)には従来、どのように対象の事物を計量するかに関わる「個別化」機能と、どのように名詞を意味分類しているかに関わる「範疇化」機能があるといわれている。名詞の助数詞的用法にこれらの機能があるかを検討した結果、可付番性のある容器型助数詞と準助数詞の一部のみ「個別化」を備えるが、多くは個別性を判断できないものとなった。その理由として、具体的な名詞であること、新たな計測単位自体であることが考えられた。また、「個別化」を備えるものは、典型的な助数詞と同様に「範疇化」を備えていると思われる。名詞から類別詞への文法化としていわれている五つの段階(N(Nouns)> CN(Class nouns)> Q(Quantifiers)>intrQ(intrinsic quantifiers)> CL(Classifiers))のうち、新たな計測単位になりうる多くの準助数詞はQ にあたり、擬似助数詞であっても、具体的すぎる名詞はないことから、CN にあたる。また、同じCN にあたるものでも、準助数詞と擬似助数詞では具体性に違いがある。このように、擬似助数詞と準助数詞には、典型的な助数詞(類別詞)がもつ「範疇化」は無いものの、抽象度の度合いの異なる階層があることが読み取れる。
収録刊行物
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- 阪大日本語研究
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阪大日本語研究 30 1-16, 2018-02-28
大阪大学大学院文学研究科日本語学講座
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050581168902433536
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- NII論文ID
- 120006492349
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- NII書誌ID
- AN10106606
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- HANDLE
- 11094/70096
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- NDL書誌ID
- 028988658
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- ISSN
- 09162135
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- IRDB
- NDLサーチ
- CiNii Articles
- KAKEN