膀胱外反症術後に生じた再発性尿道肉芽腫の1例

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膀胱外反症の根治手術の際に使用した非吸収性テープにより発生した再発性尿道肉芽腫の男児例につき報告する。2004年10月体外受精・胚移植による妊娠後37週2020gで出生。出生時に膀胱外反症と診断され、生後6日目に他院にて膀胱尿道閉鎖術が施行されたが、尿道組織に余裕がなく、外尿道口は陰茎陰嚢部に位置し、尿道下裂の状態となった。同時に整形外科医により離開した恥骨結合の修復が施行された。その後当院を通院し始めるが、術後1年過ぎより外尿道口から腫瘤の出現を認め、出血を起こすため内視鏡的に切除した。膀胱頸部12時方向に茎があり、病理組織学的には炎症性肉芽組織であった。初回切除から22ヵ月の間に3回の再発があり、経尿道的また経膀胱瘻的に腫瘍を再切除した。4回目の経膀胱瘻的切除の際、切除した腫瘤の根部に白色の繊維性物質を認めた。膀胱外反症の手術時、離開した恥骨結合はダクロンテープを両側閉鎖孔に通して引き寄せることで修復されており、ダクロンテープが異物となって発生した尿道肉芽腫と診断した。2009年3月、恥骨部の皮膚を正中切開し、恥骨結合下縁で結び目のあるダクロンテープを確認後、ダクロンテープを切断して摘出した。尿道前壁がやや欠損する形となったため、周囲組織をあわせて前壁を閉じた。その後尿道肉芽腫の再発は認めていない。尿路に近接する部位に非吸収糸やテープを用いると、異物反応が惹起されることが再確認された。膀胱外反症に付随する恥骨結合の離開に対しては、太い吸収糸を用いて左右恥骨の結節縫合を行うなど、術式に留意すべきである。

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