日本の教育大学学生の性教育経験と意識に関する調査研究―教員養成段階からの指導力育成を視野に―

書誌事項

タイトル別名
  • ニホン ノ キョウイク ダイガク ガクセイ ノ セイキョウイク ケイケン ト イシキ ニ カンスル チョウサ ケンキュウ : キョウイン ヨウセイ ダンカイ カラ ノ シドウリョク イクセイ オ シヤ ニ
  • An Investigation into Experiences and Attitudes toward Sexuality Education among Students of Japanese University of Education: With a View to Developing Teaching Abilities in a Teacher Training System

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抄録

本研究の目的は包括的性教育理論の視点から教育大学学生の性教育経験と意識の実態を明らかにし、今後の日本の教育大学における性教育への示唆を得ることである。方法は質問紙調査とインタビュー調査である。質問紙調査から、教育大学学生の性教育経験と意識の問題点を4点に要約する。①小学校から高校までの段階において教育を受けた内容に偏りがあり、人工妊娠中絶、自慰、コンドームの使い方についての学習はすべての学校段階において少なかった。②大学生段階での学習経験にも偏りがみられ、「妊娠、出産」、「人工妊娠中絶」、「避妊の方法」、「コンドームの使い方」、「性感染症(HIV/エイズ)及び予防」、「性交、性的行動と性的反応」に関する学習経験をもつ学生は少なかった。③教育大学で受けた性に関わる授業の形式は単一であり、主に講義という形がとられている。④今後の要望する授業の形式について、専門家の出前授業、演習に加え、模擬授業、実習/実技、現場研修など実際の場面体験があげられた。インタビュー調査結果は質問紙調査結果と重なる傾向がみられ、学生の言葉で詳細が語られた。日本の大学教育において性教育指導にかかわる授業の学習効果をあげるための手法開発、民間団体とも連携し社会全体で性教育を推進すること、教員養成段階から「サイクル視点」をもって学生に性教育指導力をつける認識を広めることが課題である。

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