ヒンドゥー教のバーガヴァタ・カター ―北インドのチャイタニヤ派寺院のゴースワーミー師の事例から―

書誌事項

タイトル別名
  • Bhabavata Katha of Hinduism : A Case Study from Practice of Goswami of A Chaitanya Temple in Vrindavan, North India
  • ヒンドゥーキョウ ノ バーガヴァタ ・ カター : キタインド ノ チャイタニヤハ ジイン ノ ゴースワーミーシ ノ ジレイ カラ

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抄録

インドのヒンドゥー教の語り芸であり法話でもあるバーガヴァタ・カターは現在多くのブラーフマン(バラモン)司祭によってインド国内外で行われている。本稿ではクリシュナ神の聖地ヴリンダーヴァンにあるチャイタニヤ派ラーダーラマン寺院のブラーフマン司祭であるゴースワーミー師によるこのカターの実践について,その社会的な側面を現地調査で得られた資料によって明らかにすることを目的とする。 バーガヴァタ・カターは,サンスクリット語の古典文献に基づいたクリシュナ神話を司祭が物語る信仰を広めるための実践であり,特定の会場に聴衆を集めて7日間連続で行われる。同時に聴衆にとっては宗教的な芸能でもある。 バーガヴァタ・カターの聴衆の中心となっているのは語り手である司祭の弟子あるいは支援者である富裕層が多く,彼らは司祭に喜捨として高額の金銭を定期的に渡し,司祭の生活と活動を支える存在でもある。 語り手の司祭にとって,バーガヴァタ・カターの実践は,自らが奉ずる神の信仰の教化,各地に住む自分の弟子との交流の機会,そして寺院外からの収入を得るための重要な機会でもある。

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