日本の精神分析における「甘え」理論の展開と臨床実践

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タイトル別名
  • The Development of “Amae” Theory and its Practice in Japanese Psychoanalysis
  • ニホン ノ セイシン ブンセキ ニ オケル 「 アマエ 」 リロン ノ テンカイ ト リンショウ ジッセン

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抄録

本稿は、土居が提唱した〈「甘え」理論/概念〉が、日本の精神分析臨床実践の中でどのように展開され、活用されてきたのかについて検討するという目的のもと〈「甘え」理論/概念〉の展開および『精神分析研究』誌における「甘え」を使用した症例報告を概観した。そこから、「甘え」の学術的意義や関心と比較して、そこから、「甘え」の学術的意義や関心と比較して、臨床的な活用の報告が目立たないことが見受けられた。その理由について、患者が抱える「甘え」の問題について質的な変化があること、治療者自身の「甘え」を扱うことが難しいということが影響しているのではないかと考えられた。しかし、それらの問題にも「甘え」の重要な視点が含まれており、「甘え」を現代的な精神分析臨床の中で扱う意義があるということを論じた。今後の課題として「甘え」が他の概念や理論に内包されるか、取って代わっている可能性もあるため類似概念との差異について詳細な検討が必要と考えられた。

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