地域活動支援センターを利用する在宅障害者への健康支援の実際と支援の方向性 ―X県における地域活動支援センターへの調査から―

書誌事項

タイトル別名
  • Practical Health Support for People with Disabilities at Home Using Community Activity Support Center and the Direction of Support: Survey of Community Activity Support Centers in X Prefecture
  • チイキ カツドウ シエン センター オ リヨウ スル ザイタク ショウガイシャ エ ノ ケンコウ シエン ノ ジッサイ ト シエン ノ ホウコウセイ : X ケン ニ オケル チイキ カツドウ シエン センター エ ノ チョウサ カラ

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抄録

本研究は、地域活動支援センター(以下、センター)が捉えている利用者の健康ニーズや健康支援の現状と課題から在宅障害者に必要となる支援の検討を行うことを目的とした。  X県内のセンターに質問紙調査票を郵送し、選択式回答は記述統計量を求め、自由記載データは質的帰納的に分析し健康支援の頻度等を捉えた。さらに、同意の得られた8施設の職員11名に半構造化面接を実施し、聞き取り内容を意味内容の類似性から分類し健康支援の現状と課題を明らかにした。  31施設に質問紙調査票を郵送し、14施設から有効回答を得た(有効回答率45.2%)。看護職が勤務している施設は1施設であった。行っている健康支援の頻度について、回答のあった約8割の施設で利用時に毎回【体調の確認】【手洗い・うがいの勧奨】が実施されていた。一方でがん検診や定期健診の受診状況の確認は1~2割の施設でのみ実施されていた。  聞き取り調査を行った施設には看護職の配置は無かったが、3施設では併設施設等に看護師が勤務していた。行っている健康支援は〖食生活を整えるための支援〗等が整理された。〖日常生活上の心配ごとや疑問〗等の健康相談があり、健康上の課題として〖疾患コントロールと生活の質のバランスをとる難しさ〗等が整理された。〖障害特性に配慮した健康状態の観察を行う〗等が支援の際に重視され、〖障害特性により訴えが不明確で、体調変化に気付けない〗等が困難や課題として整理された。  センターでは日常生活における利用者の健康課題を捉えている一方で、家庭生活にまで介入する難しさがあった。利用者自身がセルフケアしていくための支援の充実が必要である。また、生活習慣病の予防や早期発見に向けた健康支援においては看護職との連携が求められる。さらに、センターが捉えている利用者の健康課題を地域の課題として考えられるように地域の関係機関や多職種と協議していく必要があると考えた。

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