音楽科授業における児童・生徒の協働的な学習調整 ―歌唱練習における同学年・異学年グループのモニタリング場面の比較を通して―

書誌事項

タイトル別名
  • Cooperative Regulation of Learning during Music Class by Elementary and Junior High School Students: Comparing Self-monitoring Scenes of Same Grade Groups and Cross Grade Groups in Singing Practices

抄録

グループ学習中のモニタリング場面に焦点を当て,音楽学習における協働的な学習調整にモニタリング発言がどのような影響を与えているのかについて分析を行った。分析の対象となったのは,宮崎大学附属小学校5年生(32名)および宮崎大学附属中学校3年生(39名)である。同学年グループ活動を実施した授業と異学年グループ活動を実施した授業中の児童・生徒の対話の分析から,同学年グループよりも異学年グループの方が協働的な学習調整の生起頻度が高いことが明らかとなった。同学年グループでは,発言間の連関が乏しく,対話の内容がグループ課題から逸脱したり,一部のメンバーがグループ活動から離脱したりするなどの場面が多くみられた。これに対し,異学年グループでは,上級生が下級生の課題要求を積極的に聴き取り,その解決のために協調して話し合いを進めていく様子が見られた。これらの結果に基づき,協働的な音楽学習調整を促進する要因,阻害する要因と児童・生徒の協働的な学習調整スキルを高めていくための手立てについて提言を行った。

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