親の意識する子どもの器用さ・不器用さに関する分析―テキストマイニングを利用して―

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抄録

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本研究は,3 歳から6 歳の子どもを持つ親が,子どものどのような側面を器用(n=173)・不器用(n=146)と捉えているか検討したものである。自由回答記述により収集したテキストデータは,共起ネットワーク並びに対応分析を実施して,語間の関係構造を明らかにした。結果としては,器用回答では7 種類の下位クラスター,不器用回答では5 種類の下位クラスターが確認された。また,年齢を外在変数とした対応分析では,器用回答で「技巧性」の軸,不器用回答では基準からの逸脱の「基準未満」の軸が読み取れた。性別での対応分析及び共起ネットワークの結果,器用回答では,女児が“行為”や“自分”に関する語,男児では“モノ”に関する語が特徴語として現れた。一方,不器用回答でも女児は“自分”という語,男児では“苦手”という語が特徴語であった。また,障害を表明した子どものケースも検討を行った。本研究での最も興味深い結果は,女児と男児に対する親の捉え方に性差が存在したことである。抽出語どうしの関係から,親の認識のあり方について考察を行った。

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