講義による血液型性格判断に対する態度の変化(2) ―オンデマンド講義におけるニュース映像視聴の有無による比較―

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抄録

本研究は,オンデマンド講義において血液型性格判断を否定する内容のニュース映像を見せることにより,血液型性格判断に対する態度を長期的に変化させる効果があるかを検討することを目的とした。都内女子大学生を参加者とし,「ニュース映像なし条件」(n = 43,平均年齢20.1 才),「ニュース映像あり条件」(n = 34,平均年齢19.9 才)に分け,授業の一環としてオンデマンド講義を実施した。参加者は血液型性格判断を否定する内容の講義を受講し,「ニュース映像なし条件」の参加者はパワーポイントで作成した授業動画のみ,「ニュース映像あり条件」の参加者は授業動画に加えて血液型性格判断を否定する内容のニュース映像を視聴した。講義前,講義後,講義4 週間後において「血液型と性格に関連があると思うか」について4 段階で回答を求め,否定的態度・肯定的態度に分類した上で各条件別にコクランのQ 検定及びマクネマー検定を実施した。その結果,「ニュース映像なし条件」では各測定回の間の否定的態度・肯定的態度の割合に有意な変化はなく,「ニュース映像あり条件」では講義前と比較して4 週間後に否定的態度の割合が有意に増加した。結果から,血液型性格判断を否定する内容のニュース映像の視聴には,血液型性格判断に対する態度を長期的に変化させる効果がある事が示唆された。その背景にはテレビ番組への信頼や,番組スタッフの体験を見たことによる観察学習,ニュース映像の内容が説得力のあるものだったことがあると考えられた。

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