ふるさと納税における地場産品のサプライチェーン構造と返礼品の価格形成過程 : 北海道の自治体を事例に

HANDLE オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • Supply Chain Structure of Local Products and Price Formation Process of Returned Goods in Furusato Nozei (Hometown Tax Donation) System : A Case Study of Municipalities in Hokkaido, Japan

この論文をさがす

抄録

本論文の目的は,日本独自の制度である「ふるさと納税」における,農産物のサプライチェーン構造と価格決定プロセスを明らかにすることである.ふるさと納税とは,納税者が居住地以外の自治体に寄附をすることで,税金の控除に加えて返礼品(多くは食品)の提供を受けることができる制度である.この市場規模は約1兆円,そのうち約1500億円が農産物を占めており,新たな販売チャネルとして期待されている.しかし,税の公平性の観点から課題が多く議論が紛糾しており,恒久的な存在とは言い難い.そこで本研究では,その運営実態を分析し,農産物の供給体制の解明を試みた.分析の結果,市町村職員の業務負担が供給のボトルネックとなっており,寄附先自治体から域外への利益流出を招いていることを明らかにした.さらに,これらIT事業者の強力な価格決定力が,今後生産者の利益を侵食する可能性も明らかにした.本研究は,安定的かつ公平なふるさと納税制度の設計について示唆を与えるものである.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1050581622270180096
  • NII書誌ID
    AN0020151X
  • HANDLE
    2115/92293
  • ISSN
    03855961
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    departmental bulletin paper
  • データソース種別
    • IRDB

問題の指摘

ページトップへ