青年期のスターリン ― 神学校時代と流刑期のソソとコーバ ―

書誌事項

タイトル別名
  • Stalin in his youth: Soso and Koba during the Russian Orthodox Theological Seminary and interned years
  • セイネンキ ノ スターリン : シンガッコウ ジダイ ト ルケイキ ノ ソソ ト コーバ

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説明

独裁者や世界の指導者の人となりを論じる作業は、長年研究者の間で続けられている。ウクライナ戦争(特別軍事作戦)が始まって2 年が経過したが、戦争開始からプーチン論やプーチン体制論がアカデミアやマスコミの間で盛んに論じられるようになっていることは、社会的にも広く良く知られていることだろう。そこで、本稿はプーチンが大統領就任以降国民の愛国心を「鼓舞」する傍らで評価をしてきた、独裁者スターリンに焦点を当てる。ことスターリンに関しては、晩年のスターリン、特に大祖国戦争で最も多くの犠牲者を出しつつも、ナチドイツを負かしてソ連を勝利へと導き、そして工業後進国であったソ連を戦後の秩序を決める権限を持つ戦勝国へと格上げさせ、さらに戦後は核兵器の製造に成功して核大国アメリカと対等な「熱戦」を繰り広げた「功績」について論じられることが多い。現在のロシア国民の持つ「神話」的なスターリン像もこれを追っている。しかし、「功績」の裏にある、独裁者の残虐性や非合理性は特に理解に苦しむことがある。本稿では彼の青年期、神学校時代と革命運動による逮捕と流刑の様子を考察し、のちの独裁者となる人物の人となりについて、一つの視座を与えたい。スターリン青年期を、神学校への進学による環境の変化、地下活動に目覚めての退学と逮捕、そしてシベリアへの流刑と追いながら、のちの「鋼鉄」の人スターリンの「足跡」を覗く。

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