分娩監視システムを活用した乳用牛における分娩管理の省力化の検証

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  • ブンベン カンシ システム オ カツヨウ シタ ニュウヨウギュウ ニ オケル ブンベン カンリ ノ ショウリョクカ ノ ケンショウ

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現在,分娩する牛の腟内体温変化を測定し,分娩時期の特定を可能とするICT(情報通信技術)機器である分娩監視システム(以下システム)が開発され,市販化されている。本システムを利用することで,牛の分娩兆候見逃しによる分娩事故の防止や,分娩監視に係る労力の削減が期待できる。本システムは,体温センサーを腟内に装着し,腟内体温の変化を検知して以下の3つの通報をメールで知らせる監視システムである。1.段取り通報:分娩約24時間前の体温変化を検知し,メールで通知。2.駆付け通報:一次破水時に体温センサーの放出による温度変化を検知し,メールで通知。3.SOS通報:段取り通報後,体温の急上昇を検知し,メールで通知。段取り通報があった場合のみ作動。しかしながら,本システムを活用した分娩予測と監視労力の削減効果の検証については知見が少ないことから,本システムによる分娩監視を実施し,分娩予測と監視労力の削減効果を検証した。その結果,分娩牛の77.8%で段取り通報が作動し,駆付け通報は100%作動した。また,未経産牛と経産牛では通報作動精度に差は無かった。段取り通報から24時間以内に駆付け通報が作動した分娩牛は88.1%であり,段取り通報作動から駆付け通報作動までに要した時間が,未経産牛と比較して経産牛で短い傾向があった。また,システム導入前後の分娩監視人員は延べ4.13人/頭から1.22人/頭へ省力化され,分娩事故数は4件/年から0.73件/年へと減少した。

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