ブドウ球菌症の現状と対策
書誌事項
- タイトル別名
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- Avian staphylococcosis in Japan : Current status and control measures
- ブドウ キュウキンショウ ノ ゲンジョウ ト タイサク
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説明
ブドウ球菌症は,従来,黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)の感染に起因する疾病と考えられてきたが,近年の報告ではスタフィロコッカス属に分類される多様な菌種を原因としていることが明らかになっている。さらに,本症の発生は近年増加している傾向にあるものの,その被害の実態は明らかにはされていない。スタフィロコッカス属菌は皮膚や粘膜などの常在菌で鶏の免疫システムを回避できることから,ワクチン接種など,他の感染症で用いられる一般的な予防策は確立されていない。現在,治療に適用できる抗菌性物質製剤が多数市販され,それらを選択して有効活用できる状況にある。ただし,これらに関しては使用制限や薬剤耐性菌といった問題も含んでいることから,今後は,より実用的な予防策を講じる必要がある。
収録刊行物
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- 鶏病研究会報
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鶏病研究会報 58 (2), 55-64, 2022-08
つくば : 鶏病研究会